忘れることができない夕刻

2012.01.15

夕陽が日本海の沖の雲の層に呑み込まれるところだった。青森駅前から130km走って至った、十三という集落は、日本海と、十三湖と、さらにその間にある潟湖に挟まれた、難破船のような砂洲の上にあった。陽は北国の九月の大気の底に沈んで行き、通る車や人とてほとんどない村の街道筋に、木塀や小屋の長い影を描いていた。道は橋を渡った砂洲の向こうにうねりながら続いており、そこに宿をとった旅館があった。その、中世のような偉大な空虚に満ちた夕刻を、私は忘れることができない。

[参考サイト]
博多グリーンホテルアネックス - じゃらんnet
http://www.jalan.net/yad355796/

セントラルホテル高崎 - じゃらんnet
http://www.jalan.net/yad311610/

名鉄イン名古屋金山 - じゃらんnet
http://www.jalan.net/yad300820/

あの太陽の微光と海沿いの村の経験は、今なお私のなかに残り続け、自転車の旅によってでしか出会うことのできなかったであろう恩寵のような時間と空間を、記憶のなかに占めている。そのように、半島の海伝いの道には、峠道で深山へ分け入るのとまた異なった旅の感興がある。石川県の能登半島や秋田県の男鹿半島などが旅人に愛されるゆえんだろう。