暗くなっていいんだよというデータがどうして出てこないの?

2012.02.05

どんなに気丈に明るく振る舞っている癌患者でも心の闇は計り知れないはずである。自分だって(家庭内では無理としても)職場では結構とりつくろって明るくしているつもりである。暗くなるのが当たり前なんだよ、暗くなっていいんだよというデータをどうして出してやらないんだろう。そういう仕事こそ、癌患者の生活を研究する者の使命ではないか。ティーエスワンは内服の抗癌剤であり、癌薬物療法の中では比較的軽い治療と考えられがちだが、実際には吐気、下痢、口内炎、全身倦怠感などの副作用症状や、白血球や血小板の低下などの血液異常を伴うことも少なくない。癌術後の患者は、再発の不安とともに薬物療法の副作用にも悩まされることから、癌治療中の身体的・精神的サポートの重要性は強調しすぎることはない。このころ、まさか彼がここまで思っているとは思えないほど、彼は精力的に仕事をこなしていた。特に、私の前ではこれまで以上に、理性的に動いてくれて、しかも新しいことにも挑戦していたから、ちょっと話しただけでは彼の深層心理は図ることはできなかった。しかし、どっかにその可能性があるかもしれないという思いも確かに私の深層心理にも確実に存在した。しかし、分かっているけど、どうしても「暗くなっていいんだよ」とはいえずに、時間は過ぎていく。この低血糖の時の気分というのはかなり不快で、それを予防するために飴玉をつねにポケットに入れ、机の下にも菓子を置いておくようになった。子どものようだ。